ますまちだ

数学・物理の公式と問題解説を淡々とアップします。

物理公式集39: オームの法則

導体に V[V]の電圧を加えたとき、導体に流れる電流を I[A]とすると。 V Iとの間には、 V = RIが成り立つ。比例定数 Rを抵抗という。

  • 抵抗体による電圧降下

 R[Ω]の抵抗に I[A]の電流が流れるときに生じる電圧降下 V[V]は V = RIで与えられる。

  • 抵抗率

導体の抵抗 R[Ω]は、その長さ l[m]に比例し、断面積 S[㎡]に反比例し

 \displaystyle R= \rho \frac{l}{S}となる。比例定数 rhoを抵抗率といい、単位はΩmである。

  • 抵抗率と温度

0℃における金属の抵抗率を \rho_0とすれば、 t[℃]の時の抵抗率 \rho

 \rho = \rho_0(1+\alpha t)

で与えられる。 \alphaを抵抗率の温度係数といい、単位は1/Kである。

物理公式集38: 電流の大きさと向き

  • 電流の大きさと向き

電荷をもった粒子の流れを電流という。正電荷を持った粒子が移動する向きが電流の向き。 t[s]間に Q[C]の電荷が移動したときの電流の大きさ I[A]は

 \displaystyle I = \frac{Q}{t}

  • 電子の流れと電流

1 m^3中に n個の自由電子が存在する断面積 S [m^3]の導体内を平均 v[m/s]の速さで電子が移動するとき、導体を流れる電流 I[A]は、自由電子電荷 -e[C]として、

 I=envS

である。

物理公式集37: コンデンサに蓄えられるエネルギー

電気容量 Cコンデンサが電圧 Vで充電されて、 Q電荷が蓄えられたとすると、コンデンサに蓄えられたエネルギー U

 \displaystyle U= \frac{1}{2} QV = \frac{1}{2} CV^2 =  \frac{1}{2} \frac{Q^2}{C}

並列接続

 C = C_1 + C_2, Q_1 : Q_2 = C_1 : C_2

直列接続

 \displaystyle \frac{1}{C} = \frac{1}{C_1} + \frac{1}{C_2},

コンデンサの極板間に加えることのできる最大の電圧を耐電圧という。

二つのコンデンサの導線で結ばれた極板に同じ種類の電荷が現れたときは並列接続、反対符号の電荷が現れたときには直列接続である。

物理公式集36: 真空の誘電率

極板面積  S [m^2]、極板間隔 d[m]の平行平板コンデンサの電気容量 C_0 [F]は

 \displaystyle C = \epsilon_0 \frac{S}{d}

ただし、 \epsilon_0は真空の誘電率 \epsilon_0 = 8.854185 \times 10^{-12}[F/m]である。

極板面積  S [m^2]、極板間隔 d[m]の平行平板コンデンサの極板間に誘電体を挟んだ時の電気容量 C[F]は、 \epsilonを誘電体の誘電率として

 \displaystyle C = \epsilon \frac{S}{d}

となる。真空の誘電率 \epsilon_0と誘電体の誘電率 \epsilon との比 \epsilon_rを比誘電率という。

 \displaystyle  \epsilon_r = \frac{\epsilon}{\epsilon_0}

よって、コンデンサの電気容量 C

 \displaystyle C = \epsilon \frac{S}{d} = \epsilon_r \epsilon_0 \frac{S}{d}=C_r C_0

ただし、 C_0は真空中での電気容量である。

物理公式集35: 電気容量

  • 電気容量

コンデンサーに V[V] の電圧を加えたとき、 Q[C]の電荷が蓄えられたとすれば、

 Q = CV

ここで、 Cコンデンサーの電気容量であり、単位は[F]。

1μF =  10^{-6} F

1pF =  10^{-12} F

  • 極板間の電界

平行板コンデンサーの極極間隔を d[m]、電位差を V[V]とすると、電界の強さは

 \displaystyle E = \frac{V}{d} [V/m]

  • 電気容量の変化

平行板コンデンサーの電気容量 Cは、極板面積 Sに比例し、極板間隔 dに反比例する。

 \displaystyle C ∝\frac{S}{d}

物理公式集 34: 電界

  • 電界から受ける力

電界 vec{E} [N/C]のところに q[C]の電荷をもってくると、それが受ける力 vec{F}[N]は

 \vec{F} = q\vec{E}

で表される。

電荷 Q [C]が距離 r[m]だけ離れた点に作る電界の強さ E [N/C]は

 \displaystyle E = k_0 \frac{Q}{r^2}

で表される。

  • 電界と電位差

 \displaystyle V = Ed, E=\frac{V}{d}

単位  E [V/m],  d[m],  V[V]

  • 一様な電界中での仕事

 \displaystyle W = qEd = qV

  • 電界の向きと荷電粒子のされる仕事

 \displaystyle E = \frac{V}{d}, F = qEより、

 W = Fd = qEd = qV

物理公式集33: 静電気

  • 静電気の種類

電気には正、負の2種類ある。同種の電気の間には反発力が働き、異種の電気の間には反発力が働く。

  • 帯電のしくみ

帯電は物体間の電子の移動によって説明される。電子が移動したことによって、電子が不足した方は正に帯電し、電子が過剰になった方は負に帯電する。

  • 静電誘導と誘電分極

導体の近くに帯電体を近づけると、自由電子の移動により、帯電体に近い側には、帯電体と異種の電気が現れ、遠い側には帯電体と同種の電気が現れる。これを静電誘導という。不導体でも原子や分子内の電子分布の偏りにより同じような現象がみられる。これを誘電分極という。

  • クーロンの法則

二つの小さな帯電体の間にはたらく力は、それぞれの持っている電荷 q_1, q_2 [C]の積に比例し、帯電体の間の距離 r[m]の二乗に反比例する。

 \displaystyle F = k_0 \frac{q_1 q_2}{r^2} [N]

 k_0 = 9.0 \times 10^9